主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。
今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。
CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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夏ももう終わりですが、まだまだ続きます。
「佐久間と源田はどうしたんだ?」
「ああ。いつものことだ」
そんな二人を見送った残りの帝国メンバーは(いつものことなので)見てみぬふりをしていたが、円堂は気になるようで、俺何かしたかなぁと源田から貰ったボールを見つめながら呟く。
「円堂、気にすることはない。あれがあいつらなりのコミュニケーションなんだ」
元キャプテンらしく鬼道がそう纏めると円堂もそうなのか?と納得したようだ。
お前達も程々にしておけよと忠告すると、そこで帝国のメンバーとは別れ、先を急ぐことにした。
サッカーボールを網に入れてもらい、嬉しそうに持つ円堂の反対の手を鬼道が握る。
こうして握るとわかるのだがGKにしてはやはり小さい手だと思う。他のGKと比べて体格も小柄で華奢なのだから当然なのだが、さっき源田と並んだ時の二人のあまりの違いに少し心配になったのだ。
この小さな身体で彼女は日本代表GKでありキャプテンまでも務めたのだ。
その分、早朝や夜にまで一人過酷な練習をしていたのも知ってる。
あまりに酷な練習を何度も止めたことがある。
豪炎寺と共に練習に付き合うこともあったが、鬼道としてはそんな円堂が心配で仕方がなかった。
「鬼道?」
そんなことを思い返しているうちにいつの間にか顔が険しくなっていたらしい。
円堂が不安そうに声をかけてきた。
覗き込むようにして見つめてくる琥珀色の瞳に店の灯りと自分の顔が映っていた。
どうしたんだ?と心配そうな声と表情。
そこにいるのは普通の少女で、イナズマジャパンのキャプテンと言う重い任務を果たした人物とは思えないほどだ。
けれども、この存在に自分を含めてチームの誰もが救われ、力付けられたのだ。
円堂自身も重大な悩みや事態に直面していたのに…。
それを知ったのはかなり後で、この少女が一人で実は悩み苦しんでいたのかと思うと、自分が不甲斐なくて仕方がなかった。
この少女を陰日向なく支えていこうと誓っていたのに…。
支えられていたのは実は自分の方なのだ。
「円堂…」
「うん?どうした?」
灯りで溢れている通りから、さりげなく薄暗い木陰へと移動する。
「少しだけでいいんだが…」
「うん」
「抱きしめてもいいか?」
「うん。…って、ええっ!」
途端にあたふたする円堂だが、言質は取ったとばかりに鬼道は行動に移す。
円堂の存在を肌で感じたかったのだ。
小さくて柔らかな円堂の身体は抱き心地もよく、一度抱きよせてしまえば手放したくなくなるものだった。
驚き慌てていた円堂も、慣れた鬼道の感触とぬくもりにすぐに安心したように瞳を閉じた。
その瞼に唇を寄せた後に少女の柔らかな唇と重ね合わせた。
「今日は何か塗って来たのか?」
「…え?」
「口にだ。甘い味がしたぞ」
「えええっと…リップのオレンジだと思う、けど…」
そんなことを言われ、恥ずかしくて堪らないと言う感じに円堂が顔を俯ける。
そんな円堂を宥めるように、お終いだとばかりに額にキスをした。
「色と味が同じものか」
「俺、舐めちゃうから、苦いの嫌だし」
「俺としてはお前の味の方がいいが?」
「ばっ、バカー!」
鬼道の言葉に怒ったように両手を振り上げた円堂だったが、ここで一つのアクシデントが起こった。
円堂の手にはネットに入ったサッカーボールがある。それが腕と共に宙に浮き、暗がりなこともあって鬼道の顎にクリティカルヒットしたのだ。
「~~っ!」
「わっ!鬼道ごめん!」
「…いや。お前は悪くない」
(…源田。恨むぞ)
相変わらずタイミングの悪い友人の置き土産に折角の雰囲気を台無しにされ、鬼道は八つ当たりと自覚しつつ、そう思わずにはいられなかった。
その頃
「何か今、悪寒が…」
「あ?日頃の行いだろ」
正座で佐久間の説教を聞いていた源田がどことなく更に悪いことが起きそうな予感に苛まれていた。
続く
源田、ごめん(笑)。
次からは別の人物達が登場予定です。久々のあの人です(笑)。活躍させられるといいなぁ。
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