今日は甥っ子の七五三の衣装を買いに行くらしく、大きくなったなぁとちょっと感慨に耽ったので、ここで半田に同じことを思ってもらいました。



半田の独白ですが、鬼道(鬼円♀)夫婦の子供(オリ)が出るので要注意です！

俺、半田が社会科の教師として母校の雷門中に入ってから十数年が経った。

ベテランとも若手とも言えない今の中途半端な立場が何とも俺らしい気もする。



｢お！やってるな｣



そんな俺の日課は放課後のサッカー部の練習を職員室から眺めることだ。



勿論サッカー部の顧問は別で俺は違うけど、その光景は懐かしさを伴うものだった。



しかもあいつらの子供がいるとなれば、それも一入だ。



｢それにしても…あいつらって本当に親そっくりだよな｣



今では雷門中は帝国学園と並んだ強豪校となっていて、サッカー部は当然のようにグラウンドで練習していた。



その中で部員達に指示を出し、駆けているのは今のキャプテンである少年で名を鬼道修人(しゅうと)…。



名前は彼のエースストライカーと父親から一字ずつもらったみたいだが、そこに母親であるあいつの好みが感じられて初め聞いた時は笑ってしまった。



それからも交流は当然のように続いているので彼らの子供達は甥っ子や姪のような感覚だ。



その子が今や雷門中を率いるキャプテンだ。俺も年とるはずだよなぁと変な感慨に耽ってしまう。



髪型こそは違うが、それ以外は父親そっくりな修人はマントを翻して何かしら指示していた。



…いや、いくら父親似だからってゴーグルマントまで一緒にしなくてもいいんじゃないか？それとも趣味か？そこまで一緒なのか？



なんて考え込んでいると



｢お兄ちゃん！｣



とその修人に駆け寄る子が一人。



見た目も声も母親そっくりの修人の一つ下の妹だ。



｢うん？どうした？｣



そんな彼女を見た兄貴の方は今までの厳しい声から一変優しいものになる。



名前が悪かったのか、血筋なのか筋金入りのシスコンで、妹に近づく男は兄貴の許可が必要だと根っからの噂だが、俺は真実だろうと思っている。



その彼女もサッカー部の一員でGKとリベロだ。修人に至ってはGKからFWまで出来るが(万能好きだろ！？)一応父親と同じMFが基本だ。



何はともあれ今の雷門中はこの兄妹が中心だった。あらゆる意味で。



会話が終わり、持ち場に戻ろうとした妹に敵情視察に来ていたらしい他校生が今度は声をかけていて…。



｢あー…こりゃまた一騒動起きそうだな｣



日々是平穏なりとはいかないけど、これはこれで結構面白い毎日だと思う。



巻き込まれなければ、だけどな。







END





ちょっと鬼道夫婦の未来の子供達に登場してもらいました。名前だけみると豪炎寺と鬼道の子みたいですね(笑)。

しかしゴーグルマント…(汗)

[17回]