アニメ94話SSのような感じです。少し暗いかも？不動片想いです。

(…随分懐かれてんじゃねーか)

自分の前に座る二人を眺めながら、不動は内心面白くなかった。




変化




｢鬼道…｣


と不安気に鬼道を見た円堂。どこかおかしいチームの様子が心配なのだろうが、不動が知る限り円堂がそんな声を上げたことはなかったはずだ。


(まぁ、俺が知る範囲自体狭ぇか…)


イナズマジャパンの中でも円堂との付き合いは短い部類に入る自覚はある。

つまりそれだけ比較対照が少ないと言うことだ。

自分よりずっと付き合いの長い鬼道などはあるかもしれない。


(んで毎回じっくり丁寧に説明してやるんだろうよ)


鬼道でなくても円堂相手なら大概はそうだろう。


(まぁ、俺は違うけどよ)


わざとはぐらかして円堂を困らせるのも面白そうだし、怒らせて気分を変えさせるのもいい。


(…はっ。何考えてんだろーな。俺は)


有りもしないことを考えるなんて時間の無駄だ。

前の自分なら有り得ないかったことだ。

こうして時々円堂のことを考えることがある。

そしてその時間がどんどん増えていることもわかっていた。

鬼道から前に牽制されたこともあるが、そんなものは関係ない。


(さっさと俺を他の奴らと同じように遠巻きにでもすりゃ良かったのによ)


なのにこの人を疑うことを知らないキャプテンは人を信じるだの言って、他の人間まで動かし、どう見ても策士の鬼道や佐久間まで騙された自分の行動を知っても、信じると言ってのけた。


(ただ諦めるのも癪だしな)


どうせ駄目ならとことんまで嫌われた方がいい。その方が諦めがつく。

いや、それ以前にこのままでは収まりがつかないこともわかっていた。


(問題は…あの鬼道の目をどう潜り抜けるか何だよな)


自分の考えがいやに具体的になってきたことを自覚しながら、これからのことを思うと、内心で笑みを浮かべた。




END

不動は自分なりに自分の気持ちに決着をつけようとしてるんだよ、な話です。伝わりにくくてすみません。今度は明るい話にしようと思います。

[2回]