主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。
今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。
CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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昨日の続きです。今回は鬼円夫婦が主役です。綱海ごめん!
「…何かあったのか?」
いつも通り振る舞っているように見えた円堂だったが、鬼道にはわかっていた。
太陽のような笑顔が時折翳りを見せていたのを…。
神と魔王 中編
「鬼道…」
夕食後、部屋を訪ねて来た鬼道に最初は普段通りにしようと思った円堂だったが、そう切り出されてしまう。
「…そんなに俺、変だった?」
言外に皆に知られていたかを心配する響きに苦笑する。
いつだって彼はキャプテンなのだと…。
自分といる時くらい、その重荷を忘れて欲しい。忘れさせてやりたいと、いつも鬼道は思っていた。
「いや大丈夫だ。気付いたのは俺と…豪炎寺くらいだろう」
豪炎寺は仕方がない。円堂と言う人間を誰よりも理解し、またよく見ている。
自分とはまた違った深い絆が二人にはある。それは嫉妬するには眩しすぎるものだった。
そしてまた自分を含めた三人の時は、二人の時とはまた違った絆がそれぞれにあることも鬼道は知っていた。
「そっか…。心配させてごめんな」
「何があったんだ?」
もし彼が悩んでいるなら、それを取り除いてやりたいと思うのだ。
「鬼道…。俺、どうしよう」
「円堂…?」
そっと胸に顔を寄せて来た円堂を腕の中に包み込みながら、その滅多にない甘え方に鬼道は心配になる。
これは重症だな、と…。
円堂は基本的に自分の痛みをそうと感じずに溜め込み、それどころか他人の痛みでも何でも受け入れてしまうところがある。
そんな事を続けていけば必ず円堂の心が悲鳴を上げ、壊れてしまう。
それだけは避けなくてはいけないと鬼道は常に目を光らせているのだが、今回はその鬼道の知らないところで起きたらしい。
しかも円堂の様子からいって重大なことが…。
「…俺、スッゲー無神経なこと言ったかも」
「円堂…多分それはないだろう」
ポツリと呟く円堂の言葉に状況はわからないが、それはないと鬼道は思う。
一見すると失言の多そうな円堂だが、彼はよく周りを見ている。
人を励ましこそすれ、傷つける言葉は決して言わない。
自分より他人を自然と思いやれる希少な人物なのだ。
そんな円堂だからこそ鬼道は心配もするが、ずっと守っていきたいと思う。
「でもさ…俺。もうちょっと別の言い方があったんじゃないかって今思うんだ」
円堂は昼間の立向居の様子が気になって仕方がなかった。
自分は奇跡的に想いを寄せる相手から同じ想いを持たれていた。鬼道と両思いになれたのだ。
でも立向居は…。
(もし俺が立向居の立場だったら…)
鬼道は別の人に想いを寄せているとわかったら…。
「円堂…」
胸に押しつけていた顔を上げると鬼道が心配そうに自分を見ているのがわかった。
ゴーグルしていたってわかる。眉を顰めているし、何というか雰囲気でわかるのだ。
自分を心から心配してくれている、この優しい恋人が自分じゃない人を好きだったら……?
(すっごくつらいってわかるのに…)
想像しただけで胸が痛み、視界が歪んだ。
そんな円堂の瞼に優しい感触がもたらされる。
「…きどう?」
鬼道が泣いたため腫れぼったい瞼に唇を寄せて涙を吸い、もう片方の目も優しく指で拭ってくれていた。
「ごめん…鬼道」
「泣いていいから謝るな」
「うん…ごめん」
優しい愛撫に涙が止まらなくなってしまう。それが余計に恋人を困らせるとわかっていても円堂は決壊した涙腺を止めることは出来なかった。
どれくらいそうしていたのか…。
やっと涙が止まり、円堂がずっと慰めてくれた鬼道に弱々しいながらも笑顔を見せた、まさにその時
「相談に乗ってくれ!円堂」
大音響(ドアを盛大に開ける音)と共に綱海が部屋に乱入してくる。
「あ…もしかして取り込み中だったか?」
「…円堂。真の無神経とはこういう奴のことだ」
乱入した部屋の雰囲気に首を傾げる綱海と静かに、しかし確実に声が低くなった鬼道、いきなりの事態に泣きじゃくった後の頭では対処出来ず呆然と見ている円堂。
そんな三人の気まずい沈黙は鬼道の「とりあえず次からはノックしろ」と言う言葉で破られた。
続きます。
最後の最後に綱海登場。つ、次こそは彼が主役ですよ!(説得力なし)
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