主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。
今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。
CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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昨日ちょこっとお話しました。三部作です。まずは円堂くんと立向居で。綱海は次回から出ます(むしろ主役?)。
「やっぱり駄目なのかなぁ…」
円堂がグラウンドを偶然通りかかった時、立向居のそんな呟きが聞こえてきた。それが始まりだった。
神と魔王 前編
「どうしたんだ?立向居」
「え、円堂さん!」
どうにも気になって円堂が近付いて声をかければ、立向居は飛び上がらんばかりに驚いた様子を見せる。
「あ、悪い。驚かせて」
「い、いえ。ぼーっとしてた俺が悪いんです」
そう言って決まり悪そうに頭を掻く立向居はやはり元気が無さそうで、円堂は先程の疑問をぶつけてみる。
「なにかあったのか?」
「あ…いえ」
「…何もないならいいけど、ちょっと元気がないみたいだからさ」
「円堂さん…」
「俺じゃ何にも出来ないかもしれないけど、話くらいは聞けるからな」
「いえ、俺。あの…その」
あわあわと落ち着かない様子を見せる立向居だったが、意を決したように視線を円堂へと戻した。
「話聞いてもらえますか?」
「おう!」
立向居が話しやすいように、と宿泊所から少し離れた砂浜へと移動する。そこで二人、海を眺めながら腰を下ろした。
「あの円堂さん。驚かないで聞いてもらえますか?」
ややあって立向居が口を開く。
「ああ」
「俺、好きな人が出来たんです!」
顔を真っ赤に染めながら、そう告白した立向居に、まさかそう来るとは思ってなかった円堂は少し面食らうが、すぐに笑顔を見せる。
「そうなのか!よかったなぁ」
「でも…きっと駄目です」
対して表情を暗くした立向居に円堂は怪訝そうな顔をした。
「駄目って…なんでだ?」
「その人はきっと…いえ絶対別の人が好きだと思いますから」
「それで駄目なのか?」
「…はい」
膝を抱えて今にも泣き出しそうな立向居の頭に優しい感触があった。円堂がそっと撫でているのだ。
「そっか。……でもさ、立向居。それでその人のことが嫌いになったわけじゃないんだろ?」
「は、はい!勿論」
「立向居はその人を好きになったことを後悔してるのか?」
「いえ!そんなこと思ったこともないです」
「誰かを好きになるのってさ、苦しいけど幸せなんだよな」
「…はい」
ちょっぴり切なげな円堂の言葉は円堂自身も経験があることを物語っていた。
それがまた少し立向居の胸を痛ませた。
「円堂さんは…」
「うん?」
「円堂さんは今、幸せですか?」
「ああ。すっごく幸せだぞ!」
「そうですか。よかった」
彼が幸せなら、それでいい。それが一番じゃないか、と立向居は円堂の笑顔を見て思う。
「だから立向居にも幸せになって欲しいんだ!」
「え?」
「好きな気持ちを諦めるんじゃなくてさ…。上手く言えないけど」
「円堂さん…」
頭を撫でる円堂の手の温もりと暖かい言葉に涙を堪えるのに必死だった。
「こんな俺でもいいって言ってくれた奴もいるんだぜ?だから…」
「……はい。わかりました」
例え実らなくても、この気持ちは大事にしよう。立向居は密かにそう決心する。
「円堂さん。俺、その人を好きになってよかった。そう思います」
好きになったのが、この人でよかった。
諦めるんじゃなくて、この気持ちを誇りに思おう。
そう思わせてくれたのも、やっぱりこの人だからだ。
そう立向居は決意する。
(貴方が笑っていてくれるなら、それが俺の喜びです)
続きます
まずは立向居の失恋から始まります(ごめんなさい)。それが彼の成長であり次へのステップに繋がります。
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