主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。
今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。
CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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遅くなりました。コピー本最終章です。
「ん……」
目を覚まして初めに映ったのは珍しく素顔な恋人の紅い瞳だった。
「き、鬼道……?」
「お目覚めか?お姫様」
そうしてニヤリと形容するに相応しい人の悪い笑みを見せる鬼道に、状況がわからないまでも機嫌が悪いことだけは察知した。
「鬼道…あの俺…」
「何故自分がここにいるのか、わかるか?」
「全然!」
「…だろうな」
ふぅと溜息をついた鬼道がスッと顔を近付けてきたので、つい身を固くしてしまう。
「…ここに来る前のことは覚えているか?」
「う、ううん」
耳元で囁かれ、ゾクッとした感覚が全身を走り、思わず目を瞑ってしまう。
確か自分は部屋を出ようとしてたはずだ。その時鬼道を呼ぶか呼ばないかを迷ってて、そして…。
「俺に何も言わず、また出歩いただろう?」
「あ…」
そうだった。すぐに済むからと鬼道を訪ねずに出て行って…。
それで…。
(…あれ?何があったんだっけ?)
部屋を出るまでは覚えているのだが、それから何があったのかが思い出せないのだ。
「えっと…」
「どうやら何があったか覚えていないみたいだな」
「う…うん。ごめん」
「そうか…」
何故かほっとしたように息を吐いた鬼道に疑問を投げ掛ける暇なく、前髪を上げられ、チュッと言う見事なまでのリップ音と共に額に口付けられる。
「き、鬼道…。えっと…ひゃっ!」
「…昨夜俺は言ったはずだぞ。約束を破った時は俺の部屋に泊まってもらうと」
今度は耳の裏にキスされ驚く間もなく、衝撃的な発言を聞かされる。
「あ…うん。言われたけど…。でも…」
「…何か不服でもあるのか?」
「ないよ!でも鬼道、忙しいのに…」
「…そんなことを気にしていたのか」
確かに鬼道は夜遅くまで勉学だけでなく、何かを思案していることも多い。それは自身の為にもチームの為に必要なことだが、だからといって恋人を疎かにするような男になった覚えはない。
ここに来ずに一人で行ったのも、やはりそれが本音だろう。
(…遠慮深すぎるのも困ったものだな)
円堂はチームの為や他人の為になると判断したなら強く出ることも厭わないが、自分のこととなると(主に人に頼ることに関して)驚く程消極的だ。
どれ程の価値が自分にあるのかをイマイチわかってはいないようで、悪口を言われても、それがチームのことではなく自分一人のことであるなら声を荒げたりすることはない。
傷ついていないはずはないのにだ。
だから周りは気が気でないと言うのに…。
今回も(大きな問題があったが)何とか無事だったが、これからもそうとは限らない。
「…やはりお前には一度体でわからせるしかなさそうだな」
「……へ?」
「口で何度言ったところでわからないのだろう?」
「な、なにを?」
どうでもいいが(いや、よくないが)さっきから顔が近い。
それに瞳が…鬼道の瞳が怒っているのに本気だった。
何故か色々懺悔したい気になってしまう程の迫力だ。
そんな何かに祈りたい気分の円堂に最終判決を告げる鬼道は帝国時代を彷彿させる人の悪い(けど顔はいい)笑顔を見せる。
「俺がどれだけお前を大事に思っているか、をだ」
そうして更に近付いてきた鬼道に唇を重ねられる。
言っていることは少しも穏やかではないのに相変わらずキスは優しかった。
翌朝、食堂に集まった仲間達に昨夜のことをそれとなく(中にはあからさまに)聞かれたが、円堂は顔を赤くするだけで答えなかった。
一方その頃…
「おい、なんで俺がマネージャー業まで手伝わねーといけねぇんだよ!」
「お前の罪状を思えば、この程度軽いものだろ!」
「くそっ!」
「あ、日本に帰ったら帝国でも一月は同じことをしてもらうからな」
「マジかよ?」
食堂の片隅で皿洗いに勤しむ不動と、それを見張る佐久間がいたのだった。
どうやら日本に帰ってからも、まだ不運は終わらなそうである。
END
最後まで不動が不憫ですみません。そろそろ救済させてあげないといけませんね(;^_^A
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