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 主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。 今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。 CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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大人版鬼円の中編です。今回は回想編がメインですが、次(最後)は現代に戻ります。





ちょっと長くなりました。











銀鱈を焼きながら、2つのボールにそれぞれ卵を片手で割った。玉子焼きだけは甘い派と塩っぱい派に分かれているから別々に作るのだ。





それを味付けしつつ掻き混ぜていると、本当に別れていた期間が夢みたいに感じるけど、それは紛れもない事実で……。





夢かな?とか言ったら佐久間や不動から間違いなく説教されそうだな。俺達のあの苦労は何だったのか!って。





佐久間が言うには一昔前の帝国時代を彷彿させたらしい。俺と会う前のは、あれはあれで迷いがなかったみたいだけど、帝国と雷門の試合直前の心底悩める様子に似ていたとか。





そうして常に眉間に皺を寄せて何かずっと考えていて、でも仕事はとてつもない量をこなしていたらしく、限界がきて糸が切れたようにいつも寝ていたらしい。





そんな眠りも浅いらしく、何かしらの気配があるとすぐに起きて、明らかに睡眠不足の様子で、おまけに寝起きは恐ろしく機嫌が悪いらしかった。





今は機嫌は悪くならないけど別の意味で困ると言うか厄介だ。





そういえば病院で再会した時も、抱き締められた感触で何だか少し痩せたように感じたのだ。元々細身なのに。





食事だってちゃんと採っていたのか心配になる。別れた俺が言うことじゃないと思って我慢してたけど、実は前から鬼道の異変には気付いていたのだ。





別れた後も全く会わないと言うことは出来なかった。スポンサーも含めたパーティーでは必ず顔を合わせたし、鬼道と俺が中学時代からの仲間だと周りは知っているから、わざわざ会わせようとしたりした。





そんな時でも鬼道は俺の体調や様子を聞いてきたりして、やっぱり優しいままで、それが返ってつらかった。





大抵は短く話しただけで、周囲からそれぞれ呼ばれて解散してたけど、一度だけわりと長く話せたことがある。








あれは世界大会優勝の記念パーティーで、俺は鬼道とは別の大きなスポンサーの人に捕まって長々話し掛けられていた時だ。





そのスポンサーは俺、実はちょっとだけ苦手で、こう感じるのは自分でも珍しいなと思う。





何だか気のせいかもしれないけど見られている目が落ち着かなくさせられて、しかもやたら触ってくるのだ。肩とか手とかなら俺だって気にしないけど、頬とか腰とか…時々その下とかだから、ちょっと気になってしまう。





この時も手を伸ばされて、あっ、また来るなと思った時、唐突に身体を引っ張られた。





それはそのスポンサーじゃなくて…。





「…鬼道?」





「どういうつもりかな?鬼道さん。彼は私と話しているのに」





俺の腕を掴んで引き寄せたのは、そのパーティーではまだ話してなかった鬼道だった。表情はいつも通り変わってないから周囲にはわかりづらいかもしれないけど、いつになく怒っているのが俺にはわかった。





「失礼。俺が先約ですので」





分かりやすく怒っているスポンサーをさらりとかわすと、俺の手を掴んだまま歩き出してしまう。





手を引かれる形で連れていかれたのは人気のないバルコニーだった。





ホテルも敷地内も関係者以外シャットアウトだから誰に見られる心配はないけど、やっぱり落ち着かなかった。





そこでふと気付いた。





そもそも誰かに見られたとしても構わないのだ。俺達は男同士だし、接点だって多い。誰も問題にはしないのだ。





俺が女の子だったらスキャンダルになるかもしれないけど、こうして男なんだし、有り得ない仮定だ。


本当の関係が知られたら本気でまずいけど、それだってもう過去のことだ。





今はもう…と思った時、鬼道が俺の手を離すと振り返った。





「円堂…」





こんな近くで、正面からこうして見るのは久しぶりだなと思う。





先程までの見事なまでのポーカーフェイスはなりを潜め、不機嫌なのを隠しもしない表情だった。





「ああいう場で隙を見せるな。あいつはお前狙いなのは知ってるだろう?」





「俺狙いって…あの人、男だろう?」





俺は苦手だけど普通に見れば、結構かっこいいのに入ると思う。





何故か昔から俺の周りにはルックスがいい奴が多かったから、気にしたことは無かったけど、チームメイトが優男だけど見栄えはいいって言っていたし、そうなんだろう。





そのチームメイトから、あの人筋金入りみたいだから気を付けろよとか、よくわからない忠告を受けたが、あれは何だったんだろう?





「男だが、奴は男色家として有名だ」





「男爵?」





「男色。男が好みというやつだ」





「ああ。そういうこと……って、ええっ!?」





「…お前の鈍さも相変わらずのようだな」





思わず大声を上げた俺に鬼道は呆れ顔だった。





そんな顔されたって気付かないものは気付かないのだ。はっきり言われないとわからない。





「俺狙いって、そういう人って何て言うか、可愛い子が好みなんじゃないのか?」





「お前は可愛いぞ」





「真顔で何言ってんだよ。そうじゃなくて女の子みたいな男がいいんじゃないかって、こと」





「奴のタイプは健康優良児らしい」





「へ?」





「そういう普段、色気とは程遠い人間ほどベッドの中では妖艶なことが多いとな。…まったく。お前は奴の好みそのものではないか」





「よう…えん?色気なんて俺ないぜ?」





「何を言っている。それは俺の保証付きだ。何しろ俺の手でそうしたんだからな」





「鬼道こそ何言ってんだよ!」





いきなり何を言うのかと慌てて鬼道の口を手で塞ごうとしたら、逆にその手を取られて引き寄せられた。





「この際だから言っておくが」





至近距離で見る紅い瞳の熱に浮かされそうになる。





言われなくても鬼道が真剣なのがわかった。





「俺は今でも変わらず、お前を愛している」





「鬼道…」





俺もだよ、とは言えなかった。





俺から別れを切り出しておいて、どの面下げて言えるのだ。





「だから、あんな奴に触らせるな。あいつがお前に近づくだけでも虫酸が走るんだ」





「…うん。これからは気を付けるよ」





それしか言えなかった。








そうして訪れたタイムリミット。








俺が知らないところで実は人払いをしていたのだろう佐久間が顔を出して、そろそろまずいと鬼道に目で知らせた。





それに頷いた鬼道がそっと俺に背を向けた。





それだけで終わってしまうのが何だか自分勝手だけど寂しくて、俺はその背に向けて言ったのだ。





「俺さ、…どこにいても鬼道の幸せを願ってるから」





それを聞いた鬼道は歩みを止めたが、こちらに振り返ることはなかった。





たださっきまでとは別人のような低い声で





「そんなもの、お前と別れてから一度として感じたことはない」





と告げられた。





結局俺は守りたいと思った鬼道を誰より傷つけたのだ。





それがやっとわかったのだ。





でもどうすることも出来なくて。





その時感じたのは自分への不甲斐なさと鬼道への罪悪感と…。





ぐちゃぐちゃの気持ちのまま、その日のパーティーを終えた。








俺が事故に遭ったのは、その二週間後のことだった。














続きます








過去編交えつつなのでわかりにくかったら、ごめんなさい。





こんなこと回想してるけど今の円堂くんは愛妻弁当作りの真っ最中ですから(笑)。





鬼道家と言うか円堂くんの献立は朝はパンとご飯が交互です。そしてお弁当は和食と洋食(中華含む)が交互です。今朝のお弁当は和食のようです(笑)。





無理させすぎたり、円堂くんが具合悪ければ勿論鬼道さんが朝食作りますが弁当は作りません(笑)。

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