忍者ブログ
 主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。 今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。 CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
[177]  [176]  [175]  [174]  [173]  [172]  [171]  [169]  [170]  [168]  [167
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

続きです。鬼道さん視点は色々考えているせいで回想シーン入れなくても進まない。

これで回想入れたらどれくらい長くなってしまうのか怖いですね(汗)。





「まだ起きていたのか?」

「あ…うん。いや寝てたんだけど、ちょっと目が覚めちゃって」

足の怪我が治りきっていないせいで、まだ少し覚束ない足取りで玄関まで来た円堂の髪にもパジャマにも乱れはなく、とても寝ていたようには思えなかった。

(相変わらず嘘が下手だな)

手を伸ばして、昔から変わらない柔らかな頬に触れた。今は日に当たっていないせいか、雪のように白いが、今はそれだけでなく冷たかった。

「寝ていたにしては冷たいな」

「えっと…」

返答に窮して視線を彷徨わせる円堂の変わらない癖が堪らなく愛しかった。

権謀渦巻く場から帰ったばかりの目には眩しすぎるほど円堂は素直で打算がない。その口から出る嘘も相手を思いやってのもので誤魔化すものではなかった。

靴を脱いで上がるとコートも脱がずに、すっかり華奢になってしまった俺より小さな…しかし何よりも愛しい身体を抱き締める。

「き、鬼道?」

「ただいま、守」

「…お帰り。寒かったろ?」

「お前の身体の方が冷たいぞ」

抱き締めれば、やはりその身体も冷えきっていて、起きて待っていたのが明白だ。外から帰ったとはいえ、俺はずっと車だったから円堂の身体よりはずっと温かい。温もりをわけ与えるように円堂をコートで包むと、また抱き締めた。

「まったく、風邪を引いたらどうするんだ。起きているならせめてもっと暖かい格好をしていろ」

「だってそうすると寝ちゃいそうで…」

「やはり一睡もしてなかったんだな」

「あっ…」

自ら墓穴を掘って嘘を明かしてしまった円堂を、やれやれと困ったように見るが、内心そんな円堂の気遣いが嬉しかった。

まさか起きている円堂と会えるとは思っていなかったし、こうして待っていてくれたのは素直に嬉しい。だが、それを言ってしまえばこれからも円堂は俺を待ってしまうだろう。円堂の身体を思えば、それは得策ではない。

「鬼道、夕飯ちゃんと食べたのか?」

「…どうしてそう思う?」

「何か疲れた顔してるからさ。食べてないのかと思って」

「食べていても、あいつらの相手は疲れるがな。…そうだな、食べていない」

「まったく。パーティーの楽しみは美味しいご飯なのに、鬼道は絶対損してるぞ」

「そんなことはない。お前の作るものより美味いものはないからな」

「何言ってんだよ!」

あっちはプロだぞ。絶対あっちの方がウマイに決まってると反論する円堂をまた強く抱き締めれば途端に大人しくなる。

昔から抱き締めると円堂はそうだった。人懐っこいのに甘えることが殆どない円堂は甘やかされると弱い。

こうして甘やかせば、最初はおずおずとだが甘えてくる。それが何とも言えず可愛らしかった。

首筋に顔を埋めればボディーソープかシャンプーの香りが鼻腔を掠め、先程までの強烈なアルコール臭や甘ったるい香水のものとは雲泥の差だ。

思わず何回もその香りを嗅いでしまい、円堂から擽ったいと小さく抗議された。
もっとも円堂も本気で嫌がっているわけではなく、クスクスと笑いながらなので俺もすまないと謝罪しつつ止めなかった。

「お前はいつもいい匂いがするな」

仕事から帰るとまず出迎える円堂を抱き締めるのが日課だったが、いつも円堂からは仕事場と言うより俺の生活には無かった香りがした。
買い物帰りなら日の光の、家事をしていたなら洗濯の時に付くのか洗剤系の(円堂に聞いたら多分、柔軟剤のじゃないか?と言われた)香りがするのだ。

その香りを身体中に取り込むように吸っていると何だかこちらまで浄化される気がする。

勿論、気休めだとはわかっている。

ビジネスの世界だ。綺麗事だけではやっていけない。
俺の頭脳も戦略と共に謀略を巡らすことに使うことも多い。あちらから仕掛けられて(勿論未然に防ぐが)、やり返すことが殆どとはいえ、とても円堂には言えないようなことも数多くしてきた。

その俺の罪が浄化されることは無いだろう。

昔…円堂に出会った頃もそうだった。あの頃は自分の罪にも気付かない程汚れきっていたが、その俺を円堂が救ってくれたのだ。

円堂に何か言われる度に元気付けられ、隣にいてくれるだけで心が落ち着いていった。

あの時のことは一生忘れることはない。


今、こうして腕の中にいてくれる愛しい存在はいつだって俺を救うのだ。




続きます

円堂くんの香りはお母さんの香りに似てますね。家庭の匂いです。そしてそれに鬼道さんは飢えてます。

それにしてもまた二人いるのは玄関ですよ。いい加減イチャコラしすぎですな(汗)。

拍手[14回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
柚音
性別:
女性
カウンター
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
最新CM
[02/22 鳥野ナエ]
[02/15 マリヤ]
[10/23 ハロ]
最新トラックバック
design[dot×dot]
忍者ブログ [PR]