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 主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。 今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。 CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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 遅くなりました。5000記念小説の第1位の「鬼円♀もの」です。

 なので今回も円堂くんは女の子です。話の前編ですが、いきなり二人が夫婦です。すみません。



 ふわりと宙を浮く感覚。

 後ろで聞こえた悲鳴。

 踏み外したと頭で理解するより、落ちて行く感覚が何より物語っていた。

 それに驚くよりも前に下(落下地点)にいる人物に叫んだ。


「鬼道、よけて!」




 変化・不変   前編





 「よけて」と言ったはずなのに鬼道は避けるどころか、一瞬ひどく驚いた顔をした後、すぐに受け止めるべく腕を広げたのだ。

 それに「ダメだ」と重ねて言う暇はなく、その腕の中に飛び込む形で落ちてしまう。

「ひゃっ!」

「っ!」

 受け止めた瞬間、衝撃を殺すためか一歩後ろへ飛び、緩和させたお陰で倒れ込むということもなく、守は無事鬼道に抱き止められる。

 その温かな感触にお互い、ほっと息を付くとどちらかと言うまでもなく顔を見合わせる。

「怪我はないか?守」

「俺より鬼道は?足とか手とか大丈夫か?」

 どう考えても受け止めた鬼道の方が負担は大きいはずで、守は自分を抱きしめている腕を解いて確かめようとするが、逆に強く抱き込まれてしまった。


「鬼道?」

「無事で良かった」


 そう耳元で囁いた鬼道の声は少し震えていて、ああ、また心配させてしまったんだなと思う。


「ごめん、鬼道」

「まったく、お前は。まさか帰ってきた早々に、こんな寿命が縮まる思いをするとは思わなかったぞ」

「うん・・・。ごめんなさい」

「・・・次から気をつけろよ」


 こつんと額を合わせながら眼鏡越しに合った瞳はまだ気遣わしげで、心からごめんと思う。

 そうだった。自分は鬼道が家に帰ってきたと聞き、すぐに駆け寄ろうと階段を急いで降りようとして踏み外したのだ。


「大丈夫ですか?奥様」

「ああ、大丈夫だ。ごめんな」


 恐る恐ると言った感じに問いかけてきた声は、最近この家で働き始めた女性のもので、彼女は守とは歳も近く、すぐに親しくなったのだ。

 普段は物静かな方なのだが、さっきの悲鳴はそんな彼女から出たもので、こちらにもびっくりさせて悪かったなと、守は心から謝罪する。


「本当に大丈夫なんだな?守」

「だからそう言って・・・」


 そこまで言い掛けた守が突然くすっと笑った。


「どうした?」

「あ、ごめん。前にもこんなやり取りをしたなぁと思って」

「・・・雷門中の階段でか?」

「あれ?鬼道覚えてたんだ?」

「忘れるわけがないだろう?あの時も心臓が止まるかと思ったぞ」


 あの時は後ろで悲鳴を上げたのは秋で、後でこっぴどく説教されたものだ。

 あの時も下にいたのは鬼道で、今回と同じように「よけて」と言ったのに避けずに落ちてくる守を受け止めたのだ。

 ただ違っていたのは・・・。


「あの時はさ、鬼道が俺を支えて倒れちゃうから、俺だってびっくりしたんだからな」

「・・・突然だったからな」

「今だってそうだけど」


 守はそう言うと鬼道の胸から顔を上げ、その紅い瞳を見つめた。あの頃とは違う視線の距離。

あの頃は抱きしめられるとすぐ近くに鬼道の顔があって、よく見えたのに今では見上げなくてはいけない。


「あの頃は身長も殆ど変わんなかったんだし、倒れるのは当然だって」

「成長期前だからな、仕方ないだろう」

「だから避けて欲しかったのに。頭打ったんじゃないかと思って心配したんだからな」


 あの時、自分を庇って倒れこんだ鬼道が心配で心配で堪らなかったのだ。

 間もなく鬼道は起き上がったが、それまでは不安でしょうがなかった。何かあったらどうしようと。


「・・・それでお前が落ちていくのを黙って見ていろと言うのか?」

「俺は!・・・キーパーだし、丈夫だし」

「そんなものは関係ない」

 鬼道にしては珍しく守の言葉を遮るように断言すると、片手で守の白く柔らかい頬を撫でる。

 それは昔から変わらない優しい感触だった。

「お前が丈夫だろうが何だろうが、俺にとっては何よりも大事な存在なんだ。そんなお前が怪我をするのを、黙って見ていられるはずがないだろう」

 そう諭すように言う鬼道は本当に昔から優しくて、変なところで天然だと思う。

 どうして今みたいな台詞を平然と言えるのだろう。そういえば、あの時もそうだったと守は思い返す。




 続く

 いきなり鬼道新婚夫婦から始まりました。全面的に甘くしようとすると何故か夫婦になってしまう鬼円♀。
 

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