主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。
今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。
CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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お待たせしました。やっと最終章です。
「また来年来ような、鬼道」
にっこりと笑う少女の言葉に頷きながら、鬼道はそんな自分に少し驚いていた。
来年と言う不確定な未来の約束など帝国にいた時は考えられないことだった。
いやそもそも、こんな暖かな約束など無縁なものだったと言っていい。
本当に円堂と出会ってからは今までにない新鮮な驚きと何とも言えない温かさを幾度となく感じさせてくれた。
その度にこの少女が堪らなく愛しくて、ずっと守っていきたいと思ってきた。
今もそうだ。
この腕に閉じ込めて離したくないとすら思う。
「鬼道?もしかして都合悪いのか?」
そんなことをつらつらと考えていると、どうやら円堂をまた心配させてしまったらしい。
自分を見つめる琥珀色の瞳が何よりそう物語っていた。
「いや、そうではないが…どうしてそう思うんだ?」
「…だって、難しい顔してたからさ」
円堂はキャプテンだけあって人の表情や感情の変化を読むのに長けていた。
それをゲームメイクに活かすとかではなく人柄なのだろう。他人の苦悩とかを機敏に感じ取って何とかしようとするのだ。
今のように…。
「そうではないが、今から約束して守れるかが心配でな」
それだけが不安だった。
円堂との約束は何よりも優先するつもりだが、家の用事などが入らないとも限らない。
この笑顔を曇らせたくはないのに…。
「なんだ、そんなことか」
けれど円堂はそんな鬼道の不安を吹き飛ばすような笑顔を見せた。
「そしたら再来年来ればいいじゃないか!」
「再来年…?」
思いも寄らない言葉に鬼道が驚いた顔をすれば、円堂はにっこりと眩しいくらいの笑みを浮かべた。
「うん、来年がダメなら再来年。再来年がダメならまたその来年一緒に来ようぜ」
「それは……いいのか?」
それはつまりこれからもずっと一緒にいることを示していた。
勿論、鬼道は彼女を離す気は全くないし、障害が出れば全力で潰しにかかるつもりだ。
だが、円堂の口から自然と出てきた未来に当然のように自分が一緒にいることが純粋に嬉しかったのである。
「そうだな、来年も再来年もずっと一緒に行こう、円堂」
そう言うと目を輝かせて頷く少女が愛しくて…。
誓いを立てるように鬼道は少女の唇にキスを落とした。
それから何回めかの夏祭りが過ぎ、少女が成長し姓が鬼道になってからも、その約束は守られていた。
「お前は本当に夏祭りが好きなんだな、守」
「だって夏祭りはずっと一緒にいられるし…」
鬼道財閥を継いだのだ。多忙なのは当然のこと。
けれど、どんなに忙しくても一緒にいられるのだ。
元々好きだった祭りが更に大好きになったのだ。
「寂しい思いをさせているな、すまない」
「ううん、今一緒にいるし、それに夜は帰ってきてくれるし、大丈夫だよ」
そう、鬼道は帰りがどんなに遅くなっても妻の待つ自宅へと帰り、必ず守を腕に抱いて寝るのだ。
朝は早いのだし、向こうで泊まってくれば、と守も提案したのだが、鬼道は余程の遠方(海外など)でない限り帰宅していた。
鬼道が言うには、守のぬくもりがないと安眠出来ないらしい。
「今回は確か全員来るんだったな」
「うん、そろそろだと思うんだ」
今年は久々にイナズマジャパンやあの時のライバル達も集まるとのことだった。
あの最初に守と廻った夏祭りのように。
またあの時のような大騒動が起きるのだろうな、と呆れつつ鬼道は幸せを噛み締めていた。
隣に立つ変わらぬ愛しい存在を抱き寄せながら…。
終わり
最後に報われる鬼道さんと思ったら何故か未来(新婚)になりました(笑)。
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