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 主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。 今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。 CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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もう新年には時期外れすぎですみませんしか言えません。

しかも中編です(汗)。



アンケート、皆様ご投票ありがとうございます。1月31日までとさせて頂きます。発表は2月1日を予定しております。

たくさんの票があってびっくりしてます。嬉しい!








その声に今まで何度も慰められてきたし、何度も助けられた。



いつもと違う柔らかい感じで名前を呼ばれると、もうダメだった。



言うつもりもなかった本音まで自然と出てきてしまうのだ。



「本当に…鬼道のせいじゃなくて俺が悪いんだ。俺が…似合わないのに変に考え込んで、勝手に不安になって…そんで鬼道を傷付けたんだ」



あの…別れを告げた時もそうだった。



外では話せないからって鬼道の部屋(と言ってもここじゃない。仕事場の都合とかで引っ越したらしい)で、そう切り出した時の事はきっと…いや絶対一生忘れない。



今はまた奇跡のように一緒にいられるけど不安はどうしたって消えない。



…本当に俺で良かったのかって。一緒にいるのが俺でいいのかって…。



特に今は怪我して満足に動くことも出来なくて、鬼道に負担ばかり掛けてるから余計にそう思う。



勿論、鬼道はそんな俺でもいいって言ってくれるし、好きだとか愛しているとか言葉でも言ってくれるし(凄く照れくさいけど)、何て言うか行動でも示そうとしてくれてる(具体的には言えないけど本当に色々)。



そんな風に鬼道は俺に一生懸命伝えようとしてくれているのに…。



それなのに勝手に変なことを考えてズブズブと沈んでしまう自分が嫌だった。



鬼道が悪いんじゃなくて、悪いのは俺だけなんだ。



「…俺にはお前の方が傷付いているように思えるぞ。…円堂」



腕の中にいる思い出の中にしかいないはずの鬼道が手を伸ばして、俺の頭を撫でた。



その手つきも記憶にあるのと同じで、泣きたくなんてないのに自然と涙が込み上げてくる。



「そんなことない!鬼道の方が…」



「単刀直入に言うとな」



反論しようとした俺が涙声なのに当然のように気付いたらしい。



少し低い声になった鬼道に腕をゆっくりと離され、逆に頭を包み込むように抱き寄せられた。



「俺は未来(こっち)の俺の事は正直どうでもいい」



「へっ?ど、どうでもいいわけねーだろ!自分の事だぞ?」



「…それでもお前の方が重要だ」



そう言って向けられた瞳は強すぎる程の光があって、思わず眩暈がしそうになる。



「き、鬼道?」



「こんな風にお前を不安がらせて悲しませて…。全く未来の俺は何をやっているのかと憤慨を通り越して呆れるな」



「そ、そこまで…」



現在に比べると小さくて細い指が、やっぱり同じ仕草で目尻に溜まった涙を拭ってくれた。



「ただ一つ弁明させて貰えるなら…そのどうしようもない未来の俺も、お前の事が何よりも大事な事に変わりはない」



「鬼道…うん。いつだって鬼道に大事にされてるってわかるよ。

…でも。…ううん、だからつらいのかもな」



「円堂?」



「あのさ、実は俺、今ちょっと怪我して満足には動けなくてさ。

あ!怪我は大した事じゃないんだけど…でも、そのせいでスッゲー鬼道に負担かけてるんだ」



驚いたように目を瞠った鬼道に精一杯の笑顔を見せる。



強がりにしか見えなくても、この鬼道まで不安にさせたくなかった。



その怪我だけじゃなくて、あちこち長年酷使したせいで後遺症が残ってて、完全に治るのは難しいと言われた。



それはずっと今のような負担をかけ続けると言うことになる。



それでなくても男同士で色々と大変なのを(世間の目とか)鬼道が何とかしてくれてるのに益々お荷物な気がしてくるのだ。



「鬼道は仕事だって大変なのに…」



もう少し怪我が良くなったら母校の雷門で監督になるのが決まってるけど今んとこ俺は無職って言うのになるし(佐久間達には無職じゃなくて専業主婦だとか言われたけど)、何だか居たたまれなさが倍増なのだ。



「いや仕事は…お前がいるなら大丈夫だろう。それより気になったのだが」



「なに?」



「さっきから負担だとか言っているが、具体的にどんな事になってるんだ?」



「どんなって…」



「負担だと思っているのはお前だけで、俺は何とも思っていないかもしれないだろう?」



いや、むしろその可能性が大なんだがな、と続ける鬼道の顔は天才ゲームメーカーのもので、鬼道の職場には滅多に行かない俺には何だか珍しいような、懐かしいような不思議な感覚になる。



「そんなことないと思うぜ。だって歩くのが覚束ないからって、しょっちゅう抱っこされるし、台には乗れないから高い所は取って貰わないとダメだし、お風呂は滑ったら危ないからって一緒に入る事になっちゃうし…あと」



「ま、待て、円堂」



珍しいくらい焦った鬼道の声にびっくりして顔を上げると、鬼道の顔がその目と同じくらい真っ赤になってて、更にびっくりした。



「鬼道?」



どうしたんだろうと首を傾げると、どこか困ったような表情の鬼道が片手を額に当てて溜息をついた。



「…まぁ、そうではないかと思っていたし、そうでなければ己の不甲斐なさを悔やむんだろうが、…やはり一緒に暮らしていたんだな」



「……あ!」



これだけは秘密にしなくてはと思っていたのに。



「き、鬼道!これは、えっと、その…」



「わかっている。どうせ俺が言い出したんだろう?」



「そっ、それはそうなんだけど…って違う!俺が言いたいのはそうじゃなくて」



「少し落ち着け、円堂。傷に障るぞ」



いつの間にかまた立場逆転で鬼道がいつも通りの平常心に戻っていて、俺が一人で慌てていた。



まぁ、いつも通りに戻ったと言えばそれまでなんだけど。



「今の話を聞いて一つ判明したんだがな、円堂」



「なに?」



「未来(こっち)の俺は、その状況を充分に楽しんでいると思うぞ」



「……へ?」



思ってもみない言葉に慌てていた事も忘れて呆然としてしまった。



「いや楽しんでいるだと不謹慎か。お前は怪我をしてるんだしな。では満足…も同じか、堪能もおかしいな」



「ちょ、ちょっと待って!鬼道」



本当にさっきと逆の状況になってしまった。



「なんでそうなるんだよ?」



「俺の正直な感想を言ったまでだ」



「正直って…」



「お前に頼られるのは嬉しいと言うことだ。お前は何でも自分一人で解決しようとするからな。

俺にはそれが歯痒くて仕方なかった」



「…ごめんな、鬼道」



自嘲気味に笑う鬼道にそんなに昔から心配かけてきたんだと本当にすまないと思った。



「だから未来(こっち)の俺も役得だと思いこそすれ、間違っても負担などとは思わないから、お前もそんな顔するな」



つんと額を突かれて、そんな変な顔をしていたのかと頬を両手で触ってみたけどわかるはずもなかった。



やっぱりわかっていたけど、俺って馬鹿みたいだと思う。









続きます。



終わるとか言ってて終わらずにすみません。PCで書くと文字数がわからなくなりますね。



ここでまた区切らせて頂きます。次こそ終わりますが番外編で鬼道さん視点(14才の)があります。

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