主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。
今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。
CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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今回は鬼道さん視点ですが、前回の鬼道さんの言動の真相と言いますかか、語られます。
う~ん、ちょっと策士(むしろ悪役?)発揮してますが、こんな鬼道さん嫌って言われたらどうしよう…。
う~ん、ちょっと策士(むしろ悪役?)発揮してますが、こんな鬼道さん嫌って言われたらどうしよう…。
「ごめん、鬼道…」
涙混じりの震える声を聞きながら俺は、泣いている彼女を強く抱き締めた。
この愛しい存在を誰にも渡さないと誇示するように。
それと同時に心の中で彼女に対しては懺悔したい気にも駆られていた…。
(本当に謝らなくてはならないのは…きっと俺の方だ)
ずっとこの腕の中にいる少女に心惹かれていた。それこそ初めて出会った時からだ。
俺自身、始めは自分の気持ちに気付かず、ただ無性に気になる存在として見ていた。
自分の本当の気持ちに気付いたのは雷門に入ってからだ。その前に既に彼女は俺にとって特別な存在だった。
帝国のやり方に疑問を持ち、謝罪に言った俺を暖かな言葉と鷹揚な心で許し、それどころか力付けてくれた(本人は無意識にだろうが、あの言葉がどれ程支えになってくれたか、わからない)時…。
やっとこれからは自分達のサッカーで歩んでいこうとした矢先の帝国の惨敗。帝国の常勝の歴史の終止符を自分ですることも出来ずに見ているしかなかった俺。
その時どうしようもない程、落ち込んでいた俺を立ち直らせてくれたのも円堂だった。
側にいて、その声を、言葉を聞くだけで心が癒されていったのがわかった。
そうして大事にしたいと思ったのだ。彼女を。妹以外の人間にそんなことを思ったのは初めてだった。
それと同時に妹に抱く気持ちとは明らかに違うものだと気付く。
円堂という少女は他人の事には、あれ程気を遣うのに自分のことには無頓着で、誰かが見ていないとすぐに無茶をするのだ。危なっかしくて見ていられないから、常に目の届く範囲にいて欲しいと。
ずっと隣にいて、朗らかな笑顔を見ていたいと思った。その笑顔を守りたいと思ったのだ。
始めは確かにそう思っていたのに、いつの間にか近くにいれば触れたくなった。頭を撫で、頬に触れ、出来るなら抱き寄せたいと常に思っていた。
チームメイトとして、友情としては行き過ぎた想い。
それが恋だと気付いた時、全て合点がいった。
だが、それを円堂本人に伝えるのは憚られた。彼女の心はあまりにも純粋で、突然チームメイトからそんな事を言われたら驚き混乱してプレイにも支障が出そうだと思ったのだ。
何より彼女の心を傷つけてしまいそうで怖かったのだ。
そして俺自身、円堂との司令塔とキャプテン、チームメイトで親友という心地よい関係を壊したくなかったのだ。
だからこそ、この想いは大会が一段落するまで、せめて彼女の心がもう少し成長するまで口に出さずに待とうと決めていた。
その決心もエイリア学園襲来の時、仲間の相次ぐ離脱で弱った円堂を見た時は卑怯承知で言ってしまおうかと思った。
弱りきった彼女を見守るしか出来ない自分の不甲斐なさを自覚しつつ、その弱味に付け込んで彼女をものにしてしまおうかと一瞬でも考えた自分を恥じたが、今も状況としてはあまり変わらないだろう。
だが、あの時の普段の明るさとは別人のような円堂の弱い部分、脆さを見て心底守りたいと思ったのだ。
あの子の笑顔を脅かす何者からも守ってやりたいと。
それは誓いのようなものだった。
その円堂が久遠監督に惹かれていっているのに、多分俺は円堂本人より先に気付いただろう。
あの時の衝撃は今思い出しても凄かった。後悔とショックで、その後の行動がイマイチ思い出せないくらいだ。この俺が、有り得ないくらいの失態だと言っていい。
だが同時に円堂の想いが実る確率が低いことにも気付いていた。
監督が円堂に関心がないわけではない。むしろ逆で憎からず思っていることも知っている。
監督の円堂への信頼感はどんどん上がっているのは手に取るようにわかる上に、娘でマネージャーの冬花のことでも何かしらの接点があり、それもまた二人の絆を深くしているのがわかる。
ただそれだけに監督にとって円堂はそういう対象になりづらいのだ。何より娘のことがある。
あの人にとって一番大事なものは娘で円堂の手を取ることは出来ないのだ。
それならば円堂に脈はないときっちり線を引けばいいのに、そこまではしないのは監督なりに円堂のことは気になるからだ。
そうしてそんな自分の気持ちに監督自身が戸惑っている。そんな感じだ。
ならば監督自身にも円堂とはもう無理なのだと言うことを報しめなくてはならない。
だからこそ、あの時…監督に気持ちを受け取って貰えず傷心の円堂をグラウンド近くへと誘ったのだ。
勿論、あそこへ行けば彼女の気が紛れるだろうと思ったのも本当だが、それだけではない。
あの場所はミーティングルームから目を凝らせば見える位置にある。
監督が円堂を気にして、まだあの部屋にいるのはわかっていた。自分の言動に対して反省していたのかもしれない。
ちらりと視線を移せば監督が外を、こちらを見ていたのがわかった。それに気付いていながらも見せ付けるように円堂を抱き締めた。
腕の中にいる、この華奢な少女の精一杯の告白を一度でも無下に扱ったのだ。もうその手を取る資格はないのだと報しめるように、俺は円堂を抱き締める腕を離さなかった。
唇ぎりぎりのキスも円堂に俺の気持ちを自覚してもらうのと共に、監督に状況を理解してもらう為でもあった。あの角度なら監督の見ている場所からでは本当に口付けているように見えただろう。
この愛しい、大事な少女を傷つけておきながら未練があったとしたら、それを粉々に砕いてやりたかった。絶対に渡さないと決めた。
だからこそ、ずっと秘めていた気持ちを彼女に伝えたのだ。
円堂…。俺はお前が思っている程優しい人間じゃない。
あの時、ミーティングルームに行ったのは偶然でも、ましてや監督に用があったからではない。
いつもは俺も呼ばれるはずの話し合いの場に円堂だけが呼ばれ、監督と二人きりというシチュエーションに嫉妬したのだ。
何かあったらと心配になり、偶然を装って側を通った時に聞こえた会話。
俺はお前が失恋しているのを聞いて、お前を振った監督に怒りを覚えるのと共に、どこかで感謝しているような、そんな人間なんだ。
お前が他の奴のものになってしまったらと怯えるような奴なんだ。
だが、お前を大事だと、好きだと思う気持ちに変わりはない。
ずっと隠していた好意も伝えた今…これからは持てる限りの力で口説いていくから、覚悟しておけよ?
俺の告白と状況に驚き混乱している円堂を畳み掛けるように、その額に口付けながら、これからのゲームメイクを考え、今までにない強敵を思いながら、俺はにやりと笑った。
END?
これを見た後、守ちゃん視点を見ると全て鬼道さんの手の内か?と勘繰りたくなります(実際そうですよね?)。
鬼道さんは策士ですが純粋でもあって、敵(この場合、守ちゃんを泣かせた監督も含まれます)には容赦ないけど、守るべき対象にはとことんまで甘いと思います。
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