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 主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。 今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。 CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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続きです。このお話では守ちゃんと鬼道さんが姉弟ですので要注意です。



近頃一気に寒くなって来ましたね。布団から出たくない今日この頃…。








「でもだからって本当に姉さんが来る必要は…」



「鬼道のお義父さんがね、有人のこと宜しくお願いしますって。姉である俺が行ってくれたら安心だって」



「父さんが…そうか」



もしかすると養父は自分の姉に対する想いに気付いているのかもしれないと鬼道は薄々感付いていた。



初めはそれ故に一時期会うのを禁止されていたのだとわかっていた。



会わなければ忘れると、身内への憧憬を勘違いしていただけだと思っていたのかもしれない。



けれど自分の想いはそんなものではなかった。会えなくてもひたすら姉だけを心の神殿に住まわせていた。妹の春奈への純粋な家族愛とは一線を引く感情。



幼い頃はわからなかった、それも今ならわかる。いや、わからざるを得ない。



鬼道有人は姉である円堂守を異性として愛していた。



彼女とは血が繋がっていない事は昔から知っていた。だからというわけではない。もしも血が繋がっていたとしても自分は彼女をやはり愛しただろう。



その場合、今よりももっと状況は複雑で覚悟を決めなくてはならないが、さしあたり今は片想いとはいえ、父の了承は得られたと言っていい。



状況としては悪くなかった。…姉の人並み外れた鈍さが目下の悩みだが。



「でね、鬼道のお義父さんに授業参観って何着ていけばいいんですか?って聞いたら、この服を送ってくれたんだけど…」



「この服を…父さんが」



華美過ぎない程度にフリルのついたピンクのワンピースに白いボンボンがついたボレロは普段見ない彼女の女の子らしさを際立たせていたし、いつものバンダナではなく白いリボンで結ぶ髪もいつものツインテールではなく、下ろされ一部を三編みにしていて、とても清楚な印象を受ける。…黙っていれば。



だが彼女の魅力はその言動にこそあることを鬼道を初め、彼女に近しい人は皆知っている。



「この服凄く高かったりしないかな?何か悪い事聞いちゃった気がして」



シュン…とうなだれる守は小動物のように庇護欲が擽られる。



「そんなことはないと思うが、父さんの気持ちだし受け取って欲しい」



「…うん」



「よく似合っているな、姉さん。とても綺麗だ」



「ゆ、有人…」



「けど姉さん」



今まで帝国では見たことがない笑みを浮かべながら話していた鬼道が少し不機嫌そうな表情になる。



もっともそれにしたって普段からすると柔らかい雰囲気だ。今まではもっとどこか他人を拒絶するオーラを発していたのだ。

それも雷門戦を機に変わってきたのだが。



「俺が姉さんの服を買おうとすると全力で拒否するのに、父さんからはいいのか?」



その言葉を聞いた源田と佐久間が同時にズルッと転けそうになる。



なんだ、その子供が焼き餅妬いてますみたいな主張は?



普段の冷静沈着なサッカー部キャプテンはどこ行った?



とも思うが、この姉の前では仕方ないかと思い直す。



何しろ、この姉に会ってから鬼道のイメージが色々覆されてきているのだ。



「だって俺はお姉ちゃんなんだぞ。お姉ちゃんが有人に買うのはいいけど、有人に買って貰うのは変だ」



「別にそれ程おかしくはないだろう。兄弟間でも誕生日とかお互い贈りあったりするものだ」



「でも有人は誕生日じゃなくても買おうとするだろう?しかも何着も」



「姉さんだって俺に誕生日でなくても菓子とかをくれるだろう?それと同じだ」



いや違うだろう、と源田と佐久間は内心ツッコミを入れるが口には出さない。いや出せない。



何も言うな!とゴーグルからビームが出ないのがおかしい程の視線を感じるのだ。姉が考え込んだりして視線を落とした時などの一瞬の隙をついてだ。見事としか言い様がなかった。



「で、でも服とお菓子じゃ値段が違うだろう」



守が首を傾げつつも反論した内容に、佐久間と源田もそうだ、気付いてくれたか、と(あくまで)心で賛同する。



「こういうのは金額ではなく気持ちの問題だろう、姉さん。姉さんが俺にくれる菓子に込められた気持ちと、俺が姉さんに服などを買って贈りたい気持ちは同じだと思うが?」



「そ、そっか…」



口で鬼道に勝つのは至難の技だとは思うが、それが素直で純粋な彼の姉相手だとどこまでも通用しそうで怖い。



弟の主張に疑問を持ちつつ納得してしまった守に、源田も佐久間も何も出来ずにすまんと己の腑甲斐なさを詫びるしかなかった。





間もなく、授業参観の幕が上がろうとしていた。









一応続きます



ここで終わりにしてもいいのですが、オマケがあります。



授業参観は勿論、有人くんは優等生ですよ。守ちゃん、ハンカチ常備です(笑)。



鬼道父が贈ってきた服はオーダーメイドです。だから高いとか言うレベルでは…(汗)。



鬼道父は当初は姉に対する有人くんの感情に反対してましたが、今では許してますと言うか密かに応援しています。

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