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 主に管理人(柚音)の腐語りやSS、オフライン情報を記載することになります。 今はイナズマイレブンのWキャプテン(鬼道×円堂)に夢中です。 CPは鬼円です。鬼円♀もありますのでご注意下さい。
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はい。遅くなりました。100話小話の続き、鬼円♀∬後編です。








一歩部屋の外へと踏み出せば、そこは闇の世界だった。



勿論非常灯は点いてるし、まったくの闇というわけではないが、暗いことには違いない。



おまけに円堂は昨夜もその前もそこにいい思い出はなく、元々そういうのが苦手と言うこともあり、知らず知らずのうちにギュッと鬼道の腕にしがみ付いてしまっていた。





「大丈夫だ。何も起こりはしない」



「鬼道?」



「安心しろ。もうあんな目に合わせはしない」



「…うん」





怖がる円堂は確かに可愛いが、それよりも不安を取り除いてやりたかった。



あんな目とは木暮の悪戯もそうだが、その前も驚いたのだろうが全く怖くなかったわけではないだろう。



そんな怖い目には二度と合わせたくないと鬼道は思う。



鬼道の言葉に円堂は頷きながら微笑む。その笑顔こそ鬼道が守りたいものだった。







「もうすぐ食堂だ」



「うん」





それでもやはり緊張しているのか円堂の口数は普段からすると信じられないくらい少なかった。



そんな円堂を安心させるように鬼道がその髪を撫でてやると、少しだけホッとしたような笑みを見せた。



円堂をずっと見てきたせいか。暗がりでも気配だけで、彼女が今どんな表情をしているかぐらいはわかる。



片腕を円堂に預けたまま、ゆっくりと食堂のドアを開いた時、事態は動いた。



何物かの影が目の前を走ったのだ。





「っ!?」



「きゃあ!」





それは円堂も気付いたらしく、悲鳴を上げて鬼道に抱き付いてきた。

鬼道も彼女の身体をそのままに、何物からも守るようにマントで包み、片腕で抱くと直ぐ様、照明のスイッチへと手を伸ばす。





パチッと言う音と共に辺りが明るくなった。







と同時に鬼道から溜息が漏れた。







それに目が慣れない円堂は眩しそうに鬼道の腕の中から掛けられているマントを捲ってみる。



すると、そこにいたのは



「豪炎寺!」



「よぉ、円堂」



「お前はいるならいると言え」



「すまない」





チームのエースストライカーの豪炎寺が懐中電灯を手に立っていた。





「何故こんな時間にいるんだ?」



「昨夜もその前も円堂が被害にあったからな。簡単な見回りだが無いよりはいいだろう?」



「そういうことか」





豪炎寺なりに昨夜の事態について考えていたらしい。



鬼道が円堂を見守り、豪炎寺が宿泊所を見回っていたというわけだ。



万が一、円堂が一人で出歩いたとしても大丈夫なようにだ。





「昨夜も大体この時刻だったからな」



「うっ…。ごめん」



「いや俺が自分で決めてやっていることだ。それより…」





豪炎寺がジャージのポケットから見慣れたものを出す。





「これを取りに来たんだろう?」



「あ!俺の携帯!」



「さっきそこで見付けたぞ。これからお前の部屋に届けに行こうと思っていたところだ」



「サンキュー!豪炎寺」





円堂が携帯を受け取りながら、嬉しさのあまり、今度は豪炎寺に抱き付く。





「本当にありがとな」





携帯の中身も豪炎寺なら見られも平気なのだ。その待受の設定を機械音痴な円堂に替わってやってくれたのは彼なのだから。





「そこまで礼を言われる程じゃないが…あぁ、成る程な」





携帯はあの時のままなのかと納得する。



あのある意味レアな画像。



鬼道の本当に安心しきった寝顔だ。



多分アングルから言って円堂の膝枕で寝ているのだろう。



ゴーグルを外し、珍しく年相応に見える、その顔は何となく可愛らしくもある。



その本人の鬼道に知られたら、大変だろう。それに別の人間にも。

彼の妹すら持っていないだろう画像だ。円堂だから撮れたとも言える。





「そろそろお前は寝る時間じゃないか?」



「あ、そうだ」



「…帰るぞ、円堂」





何とも複雑そうな表情の鬼道を気遣い、豪炎寺が助け船を出す。



鬼道としては仕方ないと苦笑するしかない場面だが、空いた手が殊更に寂しく感じるのも、また仕方なかった。





また元の通りに円堂が鬼道のもとへと戻ると





「豪炎寺はどうするんだ?」



「俺はもう少し見て回る所があるから」



「…お前も早く休めよ」



「ああ」





とそれぞれ分かれたのだが、この時思った疑問を翌朝、鬼道は豪炎寺に尋ねていた。





「お前、俺達が食堂に入った時、懐中電灯の灯りを消してなかったか?」





灯りがあればすぐに気付いたはずだ。





「ああ。少しはアクシデントがあった方がいいだろう?あの場合」



「豪炎寺!」



「相変わらず仲が良さそうで安心したぞ」





しれっとした表情で豪炎寺は答え、さて鬼道があの携帯の秘密に気付くのはいつだろうかと考えていた。









END





豪炎寺の悪戯はちょっと試した部分もあるんです。それに対しては合格点だったようです(笑)。



携帯の秘密は案外早くバレそうですね(笑)。

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